ひかりちゃんの悲観的絵日記

絵日記要素はあるかもしれないしないかもしれない。

巨大クリスマスリース

 私は小さい頃クリスマスが好きでした。そしてそのことは、当時住んでいた家の近くにあった東急百貨店に深く関係しています。

 その東急デパートは駅の2階から渡り廊下で繋がっていて、5階建てくらいのビルに入っていました。そのビルの1階から3階くらいまでは吹き抜けになっていて、クリスマスシーズンになるとその吹き抜けを貫く巨大クリスマスツリーが飾られていました。私はクリスマスの飾り付けが好きで、その巨大ツリーにぶら下がっているメタリックな球の飾りが特にお気に入りでした。

 そんなクリスマスツリーもインパクトが強かったのですが、それよりもさらに強く印象に残っているのが巨大クリスマスリースです。東急デパートは駅から渡り廊下で繋がっていると言いましたが、その廊下の終端、東急デパートの入り口の上に、超巨大な、直径3メートルくらいはありそうなクリスマスリースが毎年出現していました。それはある種不気味な、観る者に畏敬の念を抱かせるようなモニュメントでした。巨大な人工物に対して恐怖心を抱く人がいるそうですが、そうした恐怖に近い感情を呼び起こさせるような、崇高な感じのするモニュメントでした。

 巨大なものに対する恐怖といえば、東急デパートの屋上には巨大なマリオのドームがありました。当時はおそらくまだ「デパートの屋上の遊園地」が全国に点在していた時期で、当のマリオはそのアトラクションの一部でした。ビニールでできた巨大なマリオに空気が詰め込まれ、子どもたちはその体内に入って遊びます。マリオの体内はポンポン弾むトランポリンのようになっていて、それで跳ね回ると楽しかろうというわけです。私はこのマリオに異常な恐怖を感じていました。マリオを見るだけで泣いたこともあったと思います。5メートルとかそれくらいの高さがあるマリオの巨像が風に揺れてビヨビヨ頭を振っていたら子どもでなくても怖いのではないでしょうか。

 そうしたマリオ的恐怖を例のクリスマスリースにも感じていた節はあります。ただ、マリオは単純に怖かったのに対し、リースは好きだった記憶があります。子どもから見て高いところに飾られていたこともあって、観ていると吸い込まれそうになり、それでいて綺麗で、クリスマスシーズンにしか出現しないというレア感もあり、トータルでは気に入っていたのです。

 それにしても、ツリーはともかく、リースをそんなに巨大にすることって普通でしょうか? 皆さんはとても巨大なクリスマスリースを見たことはありますか?